はじめに
いきなりですが、子どもにとっては親の老後のことなんて考えたくないけど、ふと現実味が出る瞬間がありますよね。
病院、通院、体力の衰え、実家の家計の雰囲気、何気ない一言。
私の親も先日、足のかかとに謎の激痛で通院していました。
まず先に言っておきます、申し訳ないのですが、
この記事は「こうすれば解決だ!」とかいう答えを出す記事ではありません。
読んでいただけると分かりますが、逆に悩みがさらに深くなってしまうかもしれません。
家庭の事情も、親子関係も、住まいも、健康状態も違うので、正解は一つに決められないからです。
その代わりに、リアルな私の家庭の話も含めて記事にしていこうと思います。
- 令和の老後って、現実どうなってるのか(お金と生活)
- 昭和と令和で、前提がどう変わったのか
- 親子で揉めやすい地雷はどこか
- 答えが出なくても、考える順番だけは決められる
ここまで整理してもなお、今も悩みは尽きません。ただ参考にはなるかと思いますので、
是非読んでいっていただければと思います。
現代の老後の生活費と実態
老後の生活費は「固定費+揺れる費用」で見える
私がまず気になったのは会話の最初に必ず出る「老後の生活費」です。
老後の生活費って、ざっくり「毎月ほぼ固定の支出」と「波がある支出」に分かれるかと思います。
老後の生活費は家庭で差が大きいですが、まず“平均の目安”を置いておきます。
総務省統計局の家計調査(2024年平均)では、夫婦ともに65歳以上の無職世帯の支出は、月28.7万円(消費支出25.7万円+税・社会保険料など3.0万円)。
一方で実収入は月25.3万円で、月3.4万円の不足というデータもあります。
※総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年平均」— 夫婦ともに65歳以上の無職世帯(夫婦のみ)
この「平均」を前提にしつつ、我が家みたいに借金や住居の事情が絡むと、平均どおりにはいかない…という話をこのあとします。
固定になりやすいもの
- 住居費(固定資産税、管理費、家賃、修繕など)
- 食費
- 光熱費・通信費
- 保険(入り方次第)
- 車(地方だと強い)
波が出やすいもの
- 医療費(通院、検査、入院)
- 介護(サービス利用、施設、送迎、用品)
- 冠婚葬祭や交際費(主にお葬式が多くなってくる)
- 家電や住宅の修繕(まとめてドン)
老後って、毎月の生活費が高いからというより、波が出るところで想定外が起きるからなんですよね。
年金で足りるかは「住居」と「医療・介護」で決まる
年金の話は現役世代の時の働き方によって変わるのでここでは断定しません。
ただ、私が感じた分岐点はかなりシンプルに分けられると思います。
- 持ち家で住居費が軽いか(賃貸、ローン残りは重い)
- 医療・介護の波がどれくらい来るか(健康状態、家族歴)
- 収入が残るか(働ける・働かないの差もある)
つまり、老後の議論でまず見るべきは「年金がいくら」だけじゃなくて、**年金で賄う対象(支出の形)**なんですよね。
この支出を親・子どもが双方見える状態で話し合わないと建設的な家族会議での意見が出づらく議論が進まないのです。
我が家も今それが課題です。
議論をしても抽象的な観点でしか話せませんでした。
令和の老後が不安になりやすい理由
私は昭和61年生まれですが、親曰く、昭和の頃よりも、令和の老後は「予定を立てづらい要素」が増えた気がするとのこと。
それはそう。時代が違えば生き方も変わるのが時代の流れなので。
- 物価が読みにくい
- 医療・介護はいつ来るか分からない
- 家族が近くに住んでいないケースも多い
- 子ども世代も余裕があるとは限らない
- 「長生き」もリスクとなりうる
この時代変化に伴う前提の変化が、親世代にも子ども世代にも考え方のギャップを生みます。
昭和の老後と令和の老後を比較
昭和の老後が悪いとか、令和がダメとか、そういう話ではなく。
**「前提が違う」**だけです。
昭和と令和の違い
| 項目 | 昭和の老後 | 令和の老後 |
|---|---|---|
| 年金の位置づけ | 主役になりやすい | 年金だけでは不安がある |
| 退職金 | 前提にしがち | 当てにしない設計が増えた |
| 住まい | 持ち家前提が多い | 賃貸・ローン残りも現実 |
| 家族の距離 | 同居・近居も多い | 別居が基本になりがち |
| 介護 | 家族が支える前提が強い | 外部サービス前提で考えることが増えた |
| 働き方 | 定年引退がゴール | 長く働く・小さく稼ぐも現実的 |
| 情報 | 少ないが迷いにくい | 多すぎて迷いやすい |
親世代の感覚で「昔は何とかなった」って思うのも自然です。
でも子ども世代が「今は前提が違うよね」って焦るのも自然です。
子どもが背負うのは当たり前か
親側としては「子どもに面倒をかけたくない」「昔から親の面倒は子が見る」
子ども側としては「親は一生親だから助けられるなら助けたい」「自分にも家庭があるから・・・」
色んな意見がありますが、この部分がいちばん互いに揉めるところです。
結論は「当たり前を当たり前」にしない方がいい
親に冷たいとか親不孝って話ではなくて、前提化すると詰むからです。
- 子ども世代にも生活がある
- 仕事や家庭の事情がある
- 時間もお金も無限じゃない
親が子に「迷惑はかけない」と言っていても、現実は「迷惑をかけたい/かけたくない」の問題じゃなく、要介護や資金援助という出来事がどこかで必ず起きるんですよ。
これは親と子の関係上防げないことなのです。
援助と介護は「線引き」がないと揉める
援助も介護も、揉める理由はだいたい同じです。そう、「線引き」です。
これがまた難しい問題となってきます。
- いくら出すのか決めてない
- どこまでやるのか決めてない
- いつから始めるのか決めてない
- 誰がやるのか決めてない(兄弟がいるとさらに複雑)
だから、正解なんかなくて普通です、ただ、最低限ここだけでも言葉にするのが大事です。
- お金の援助は「上限」と「条件」
- 介護は「やること」と「やらないこと」
冷たいんじゃなくて、家族を守るための設計です。
お互いに思いやるならば、設計して納得のいく形にしたいですよね?
老後の設計の仕方と注意点
完璧な答えは出ない前提とします。
親子で話すなら、私はこの順がいちばん事故りにくいと考えました。
ステップ1 まずは現状の見える化
親にいきなり「老後いくら足りない?」の話をすると、だいたいは「分からないけど大変だと思う」
という返事が返ってくるだけです。
まずは最初は確認だけの共同作業をしましょう。
- 収入:年金(ざっくりでOK)+その他収入
- 支出:毎月の固定費(ざっくりでOK)
- 住まい:持ち家/賃貸/ローン残り
- 資産:預金・保険・投資(ざっくりでOK)
- 負債:借入の有無(ここもざっくりでOK)
ポイントは「細かく責めなくていい」という点。
ここは“把握”が目的です。
ステップ2 不足額の形をつかむ
ここで初めて、老後のお金の話に入れます。
- 毎月の生活費(ざっくり) − 毎月の収入(ざっくり) = ざっくりいくら不足か?
不足がゼロなら安心、ではなく。
不足が見えたら「どう埋める?」を選べるようになります。
「固定費」を削って不足をカバーするのか、
「子が多少の援助」をして不足をカバーするのか、
「働けるなら少しだけ働く」ことで不足をカバーするのか、
これらの選択肢を「持つ」というのが利点になりますよね。
ステップ3 医療・介護は別枠で考える
老後を難しくするのは、ここだと思っています。
まずは生活費と同じ財布に入れず、別枠で考えてみましょう。
- 通常の生活費の設計
- 医療・介護の“波”の設計(バッファ)
ここを分けるだけで「突然の出費」で家庭が崩れるリスクは下がります。
老後資金というのは単に生活費だけではなく、様々な突発的支出が起きやすくなってきますので、親子で
バッファの確認をざっくりでもいいので把握はしておきましょう。
注意点:やりがちな落とし穴
気を付けてほしい点をまとめました。
我が家ではこの議論までは達していませんが、おおよそ出るであろう注意点です。
- 平均の数字だけで安心する(自分の家の前提が抜ける)
- 退職金を前提にしすぎる(あるある注意点)
- 子どもが何とかする前提で話が進む(前提はリスクとなりうる)
- 住居費を軽視する(賃貸・ローン残りは強烈)
親子で揉めにくい「質問リスト」
チェックリストだと“答えを出す感じ”になってしまいます。なのでここは質問の形にしてみました。
家族会議のメモとして使ってもらえたら幸いです。
- 親の生活費、ざっくり月いくら?
- 年金はざっくり月いくら?足りない月はありそう?
- 住まいはどうする?(持ち家/賃貸/ローン残り)
- 医療・介護が必要になったら、どこまで外部サービスを使う?
- 親子どちらも出せるお金・時間の上限は?(生活が破綻しないラインを双方見極める)
- 親は「どこまで子どもに頼りたい」気持ちがある?
- 子は「どこまでを頼ってくれてもいい」気持ちがある?
- 重要書類(保険・通帳・連絡先)はどこにある?
答えが出なくてもOKです。
この質問に一度触れるだけで、次に話す順番が見えてきます。
実体験
ここは私のリアルな体験談です。
会話も含めて書きます。きれいな話じゃない部分も出ますのでご了承ください。
・突然始まった老後のお金喧嘩
2026年1月末のとある日、
私が仕事から帰ってきたら両親が夕飯の酒を飲みながら口喧嘩中でした。
喧嘩の発端は「老後のお金」問題。
とりあえず私は両親を落ち着かせてから話し合いたいならお酒がない時にしようとなだめてその場は終了しました。
問題の「老後のお金」は正直両親ともに全くないと思っています。
私は兄がいまして、育てるのに普通の倍お金がかかってきました。
入学2倍・卒業2倍・食費2倍…。
そんな中生活苦で借金を作ってしまい、貯蓄なんてできるはずもなく今の年齢になるまでその月暮らしです。
父親は仕事はしていて年収も世の中の平均以上あるはずなのに、ギャンブル依存症一歩手前で今も過ごしていて借金もあり、母親はその借金を細々と返す日々です。
・家族会議当日へ
口喧嘩の次の日、
両親との話し合いが始まりました。今思えば話し合いにもならないただの言い合いでしたね。(苦笑)
やれパチンコが悪いだの稼ぎがっても意味ないだの。
そんな話をしていても埒が明かない。
私は
「老後二人ともどうするつもりなの?生活できるの?」(母親は無理とのこと)
「借金はいくら?」(両親ともに正確に答えず)
「年金は計算してる?」(計算はしているがまだ分からない)
「現在の貯蓄は?」(両親ともはぐらかし)
「生活費いくらかかってんの?」(母親からはざっくり30万とは聞いているが父親は知らないためワザと聞いた)
「退職金はあるの?」(運送業のため微々たるものらしい)
これらを丁寧に聞いても答えをちょこちょことはぐらかすだけ。
私の収入や生活費は詳細に伝えました。
母親は「もう生活破綻寸前」との言葉。
父親は親としてのプライドなのか、「お前に迷惑はかけない」の一点張り。
私はあまりにも非協力的な両親の言動についカッとなってしまい、
私「んじゃ勝手にしなよ。私に迷惑かけないならいいけど一切知らないよ!」
それで少しだけ話して家族会議は打ち切りに。
これでは私も兄も援助やフォローのしようがない。(兄は離婚し、別で新築を立てて住宅ローンと子育てで生活は苦しいのでそもそもあまりアテにできないんですけど)
そんな家族会議となってしまいました。
・抽象的な部分のみの家族会議
昔から我が家ではお金の話はタブーとされてきました。
今でこそ母親はたまに私に生活費の相談や借金の話をすることもありましたが、父親がいる前では生活費だのなんだのは一切言いません。
「勝手に引き出してお金を使われてしまった過去があるから」とのこと。
少なくとも先日の質問の金額はざっくり把握はできたけど、親がこちらにどうして欲しいのかは未だに分かりません。
母親は生命保険と介護保険に入っているとは言っていましたが、具体的な契約内容までは聞けませんでした。
私が住宅を購入したのは「親の老後のため」。賃貸では老後に改築やバリアフリーにもできないので、住むのに困らないように購入を決意したのです。母親は感謝をしてくれていますが、父親は…。
これでは私が勝手に借金して家買っただけじゃん…。
ちょっと悲しくなってしまいました。
・後日談
母親からはあの話し合いの後、父親はパチンコに行ったと聞かされました。(苦笑)
老後の事よりパチンコなのかと呆れてしまった私。
こんな状態で両親が老後の生活になって、おんぶに抱っこでは私が破綻してしまうと危機感を募らせています。
私は今の便利な情報化社会に生まれて遅れながらも現在進行形でお金の勉強をしています。
その中で大きな負担の可能性がある両親の老後に関して話し合いを通じて知ってほしかったのです。
親はもちろん、子どもだって考えている事もあるんだから、話し合うことは大切なのだと。
親世代にも伝えたいこと
ここまで読んで、胸が痛くなった方もいるかもしれません。
でもこの記事は、親を責めたいのではなく、親子が“詰む前に”現実を共有したいだけです。
きれいに話せなくてもいいので、まずは「見える化」だけ一緒にやってほしい。私はそう思っています。
全部完璧じゃなくてもいいのです。
まずはこの3つだけでも、子どもはかなり助かります。
- 家計と資産の“ざっくり一覧”(細かい金額は後でいい)
- 重要書類の場所(保険・通帳・連絡先)
- 医療・介護・住まいの希望(ざっくりでOK)
「頼る/頼らない」じゃなくて、「頼るならこう頼る」「ここは頼らなくても大丈夫」の雛形があると、
親子ともに楽になります。多少計算が違ってても大丈夫です。
子どもがもし老後に協力してくれるならありがたいじゃないですか?
なのでお金の話や介護の話は互いの為にも感情的にならずに話し合ってほしいです。(自身に言ってるつもりです)
まとめ
この記事は正解を出しません。というより出せません。
でも、私が考える順番は整理しました。
- 令和の老後は「固定費+波(医療・介護)」で現実を見る
- 昭和と令和は前提が違う(だから会話が噛み合いにくいし難しい)
- 子どもが背負うのを当たり前にしない(線引きが家族を守る)
- 答えが出なくても、質問リストで話す順番は作れる
とはいっても私はまだ答えが出ていません。なんせまともに家族会議ができていませんので。
でも、数字を見て、線引きを言葉にして、話す順番を決めただけで不安の形は少し変わり、話の仕方を変えてまた会議をしていくしかないと考えています。
あなたの家族は、「老後資金」「老後生活」「介護」、どうやって話すのが現実的でしょうか?
もし今日なにか一つ話すなら、「○○の重要書類はどこにある?」だけ聞いてみるのが一番軽い一歩だと思います。
【出典先データ】
・総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年平均」— 夫婦ともに65歳以上の無職世帯(夫婦のみ)
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