とある日のXでこんな投稿を見かけました。
「つみたて投資枠はOKだけど成長投資枠でオルカンやS&P500を買ってる人は大損している。理由は米国配当の現地課税10%があるから」みたいなポストです。
いや…うん…まぁ。(それ誇張表現じゃない?)
言ってることの一部は事実なんです。
でも、結論がデカすぎて、読み手が変に不安になる書き方だなとも思いました。
Xに限らず、不安心理を煽るような文章でとてもモヤモヤした気持ちになったと同時に、
みなさんには間違えてほしくないなと思いました。
私も最初は「え、マジ?そんな大損だっけ?」って気になったので、いったん落ち着いて整理していこうと考えました。
私も投資は5年くらい勉強してきたので、自分の復習も兼ねて記事にしていきますね。
この記事ではQ&A形式で、「何が本当で何がズレているのか」を分かりやすく整理します。
Q1 米国株の配当って「現地課税10%」されるの?
A.はい。されます。
米国株(米国ETF含む)を持っていて配当が出ると、まず米国側で税金が引かれます。一般的に「10%引かれる」と言われるのはこの部分です。俗にいう現地課税ですね。
※通常は日米租税条約の適用で米国源泉税率10%になります(証券会社側で手続きが反映されている前提)。
そして日本の新NISAは「日本側の税金が非課税(金融所得課税20.315%のこと)」という制度なので、米国側で引かれる分までゼロにはできません。
ここは知らずに買ってる人もいるので、注意点としては正しいです。
Q2 それって「資産の10%」が取られるってこと?
A.違います。ここが一番の勘違いポイント。
10%がかかるのは 資産全体 じゃなくて、配当の部分 だけです。
簡単なイメージで言うと、
「配当が年1%出る商品なら、その1%のうち10%が引かれる」みたいな感じになります。
なので、オルカンやS&P500みたいに配当利回りがそこまで高くない商品だと、影響は相対的に小さくなりやすいです。
逆に、高配当商品で配当金が出るとその影響が目立ってきます。
Q3 つみたて枠ならOKで、成長投資枠だとアウト?
A.違います。
これもズレやすいところなんですが、枠の違いで現地課税が変わるわけではありません。
つみたて枠だろうが成長投資枠だろうが、
「中身が米国株で、配当が出る」なら現地課税は同じように起きます。
なので「つみたて枠はOK、成長枠はダメ」という断言は雑な言い方だなと思います。
おそらく、
「つみたて枠は年120万円で少額だから影響が小さい、成長投資枠だと年240万円で倍だから成長投資枠の方が影響が大きくなりがち」
と言った方が的を射ていると思います。
(Xの文字制限の事を考えたらこの表現もしにくいでしょうけど。)
つまり“枠の種類”が原因というより、投資額が大きいほど(配当額も増えるので)影響が見えやすい、という話ですね。
※ちなみに私は、NISAつみたて投資枠、成長投資枠のいずれも「S&P500」に投資しています。
Q4 オルカンやS&P500でも現地課税の影響はあるの?
A.あります。ゼロではないです。
投資信託でも、組み入れている株が配当を出せば、その段階で税金がかかることはあります。
ただし、ここで大事なのは「影響の大きさ」です。
オルカンやS&P500を長期で持つ人の目的は、配当というより値上がりも含めたトータルの成長ですよね。
現地課税10%があるからといって、即「大損確定」とは言いにくいです。
税の目減りはあるけど、それだけで投資計画や資産のすべてが崩れるほどではないという印象です。
例えば米国高配当株で年4%の配当利回りがあるなら、100万円投資で40,000円です。この40,000円に現地課税の10%がかかり36,000円になります。
- 米国ETF/米国株:配当が出た時点で米国源泉税が引かれる(10%の現地課税の事です)
- 日本の投資信託(オルカン/S&P500系):仕組みが違って、“投信の中で”税が発生して基準価額に反映される(体感しにくい)
注意点として、
実際は円換算・口座で多少変わる
- 配当4%と値上がり益込み4%(トータルリターン4%)では少しブレる
- 配当はドルで出て、米国で10%引かれてから円換算されるため為替の差でブレる
- NISAなら日本側の税金はかからないので、イメージは「36,000円」に近い金額になる
- 課税口座(特定/一般)だと、日本側の課税も絡むので手取りはまた変わる(外国税額控除の有無も影響する)
Q5 NISAだと外国税額控除が使えないって本当?
A.本当です。
特定口座(課税口座)で高配当株の配当金にかかる税金を外国税額控除で一部調整できるケースがありますが、NISA口座ではそれができません。
なので「高配当株での配当金を目的にしてる人ほど、この差が効いてくる」というのはあります。
※外国税額控除は、確定申告で申請することで控除できる場合があります。ただし控除には上限(控除限度額)があり、全額戻るとは限らない点に注意してください。
Q6 じゃあ「注意すべき人」ってどんな人?
A.では自分はいったい何を注意すればいいのかをまとめます。
【注意が必要な人】
- 米国の 高配当ETF・高配当株 をNISAで持って、配当をメインで取りに行く人
- 分配金が頻繁に出る商品を中心に回す人
これらの商品で資産形成している方は、配当のたびに現地課税が乗るので「税の目減り」を実感しやすいです。
【そこまで気にしすぎなくていい人】
- オルカンやS&P500を「資産成長目的」で長期保有する人
- 配当より、値上がり+複利で増やす前提の人
この場合は「知っておくべき注意点」ではあるけど、煽り投稿みたいに恐れる必要はないと思います。
自分の投資の目的や商品の特徴、金融関係の税制度を知っておくことで冒頭のような煽り投稿をスルーすることが出来るようになります。
(あ、私モヤってしまってスルー出来なかった・・・笑)
Q7 結局、成長投資枠でオルカン/S&P500はアリ?ナシ?
A.これは人の考え方により断言はできません。
ただ、私の考えはシンプルで全然アリです。
少なくとも「成長枠で買ったら確実に損し続ける」みたいな話ではありません。
ただし、次の2点は理解しておくと安心です。
- 米国株由来の配当には、現地課税がある(ゼロにはできない)
- NISAでは外国税額控除が基本使えない
この前提を知った上で、自分の目的(成長なのか配当なのか)に合う商品を選べばOKだと思います。
まとめ
私がXの投稿を見て「マジ!?」と思ったと同時に「ここおかしくない?」と
思った点がこれらでした。
- 大損は言い過ぎ
- 米国株の配当には「現地課税10%」がある(これは事実)
- 現地課税は「資産全体の10%」ではなく「配当の10%」
- つみたて枠/成長枠で現地課税自体が変わるわけではない
- 影響が大きいのは高配当で回す人。オルカン/S&P500長期なら過度に不安にならなくてOK
Xの投稿って、強い言葉で煽れば煽るほどインプレッションが伸びます。
でも投資は、煽りより「仕組みを理解して、自分の目的に合わせる」方が結局ラクです。
Xに限らずSNSでは一部を誇張表現したり、嘘やデマを投稿する方もいますので
しっかり知識のアップデートをして自分を守りながら資産形成を継続していきましょう!
※この記事は「不安を煽る投稿」を叩く目的ではなく、仕組みを理解して落ち着いて判断するためのまとめ記事となります。
あなたがしたい投資はインデックス?それともアクティブ?解説記事はこちら。⇩