導入
「借金=悪」
これは、多くの人が一度は刷り込まれる価値観だと思います。
私も親からはそう教わってきました。
できれば借金なんてしたくないし、
している人を見ても
「みんなローンとか組んで買ってるよなぁ」
と感じていましたし、だいたいの人は知人や会社の人から苦労話を聞かされたりしていますよね。
実際、私も20代のころは借金をしたことがあります。
しかも、結果としてとても後悔する形になりました。
ただ、今振り返ると
「借金そのものが悪だったのか?」
と聞かれると、答えは少し複雑です。
この記事では、
実際に借金を経験した立場から、
借金の良し悪しについて正直に書いていきます。
実は、借金をしている人は少なくない
まず前提として、
借金は一部の人だけがしている特別なものではありません。
公的な家計調査などを見ると、
住宅ローン・自動車ローン・カードローンなどを含めると、
何らかの借入をしている世帯は全体の3〜4割程度
とされています。
つまり、
- 借金をしていない人が「普通」
- 借金をしている人が「異常」
という単純な構図ではない、そして一概に「善悪」ではないということです。
問題は
「借金をしているかどうか」ではなく、
「どんな借金をしているか」だと感じます。
私が実際にした「絶対にやってはいけない借金」
私が後悔した借金は、
今思えばかなり典型的なダメパターンを網羅していました。
- なんのための借金なのか目的が曖昧で計画がなかった
- 「働いて返せばいい」と安直な思考で借金をした
- 返済が苦しくて周りに迷惑をかけてしまった
苦しい借金となったのはカーローンでした。
20代後半に今乗っている普通乗用車を購入したのですが、
「毎月これくらいなら返せる」と思っていましたし、実際に返せていました。
でも、
返済は生活をじわじわと蝕んでいきます。
- 突発の出費で金銭的余裕がすぐなくなる
- 他の目的のために追加で別の借金をする
- 借金が増えて不安が増加してくる
- 健康にも影響してくる
この時点で、もう冷静な判断なんて出来ていませんでした。
気づいたときには、ギャンブルをする回数も増えていて
借金そのものより、精神的な重さのほうがきつくなっていました。
これはとても危険なシグナルです。
借金で精神を病んでしまう方も普通にいます。
私は事の重大さに気付かず過ごしていました。
なぜ、その借金はダメだったのか
今ならはっきり言えます。
あの借金がダメだった理由は、
借金をしたことではなく、
「安直に将来の自分に返済を丸投げしていたこと」です。
- 返済のための原資が曖昧なまま
- 完済までの期限が不明瞭でがとにかく遠いこと
- 返済不可となるリスクを考慮できていない
この状態での借金は、
生活を楽にするどころか、
選択肢をどんどん狭めていきました。
人間は
「貧すれば鈍する」
の通り、借金や金欠で貧乏生活になると思考能力が低下します。
ここで、とある記事を紹介しますね。
「プリンストンやハーバード大学の研究者たちによる研究結果によれば、
脳の認知能力は電波の「帯域幅」のようなものであり、貧困状態にあると、人はそれだけで帯域幅のかなりの部分を使ってしまうとのこと。帯域幅が狭くなると、気付くべきことにも気付かなくなり、誘惑に屈しやすくなる。子供の面倒も充分に見られず、貧困から抜け出すために夜間課程のある学校に通うような余裕はなくなってしまうのだ。」
(現代ビジネス記事:アトランティックUSAより引用)
どうでしょう?
研究で明らかになっている通り、
人は「IQ(思考能力)が低いから貧乏になる」のではなく、
「貧乏だからIQ(思考能力)が低くなる」ということになるのです。
今思うと本当に恥ずかしいんですが、
当時の私は「自分は賢い側」だと思い込んでいました。
借金をして貧乏が故に自分のマネーリテラシーが欠如しているのも自覚できず、自分の欲求や周りの誘惑に常に屈していたということになります。
早く気付くべきでしたけど30代前半まで出来ませんでした。
借金=すべて悪とは言い切れない理由
一方で、
今の私は「借金は絶対悪」とは思っていません。
実際、世の中には
借金を前提に成り立っているものも多くあります。
- 住宅ローン
- 事業資金のための融資
- 学習や資格取得のための借入
これらは、
- 住宅購入という目的が明確な低金利の借金(私の場合はちょっと判断が難しい)
- 長期で回収が見込める先行投資
- 人的資本の強化・労働収益性向上のための投資
という特徴があります。
つまり、
借金が「未来の負担」になるか、
「未来への投資」になるかは、
借金の中身次第だと思うようになりました。
では当時の私がしていた借金がどちらになるか見てみましょう。
- カードローン(リボ返済)→目的なく娯楽やストレス発散などの浪費の借金は未来の負担増加に。
- 普通車購入(カーローン)→車の購入以外には使えない借金。目的は会社通勤の移動のため。
- 住宅ローン(現在残債1,900万)→低金利ローン。とある事情により購入。
※理由は別記事にて詳細に書かせていただきますね。
いかがでしょう?
すべて「悪い借金」ですか?
私の中で明確に悪い借金はカードローンですね。生活費や娯楽、散財といった目的が多岐にわたり、
節約や行動改善が出来た部分もあったはずの借金ですよね。
一方、家とか車の借金は理由があって、
「車は地方だと必須で、当時会社まで移動に時間がかかる地域に住んでた」
「家は事情により購入し、その中でもかなりの検討と妥協と合理性を追求した」
です。
「お金のこと」を第一に考えるのであれば、車や住宅は
「リセールバリュー」(買った時の値段より高く売れる)
が高いものを購入するのが最善です。
それが出来ないなら購入すべきではないし、購入するとしても妥協すべきです。
…と、今ならそう言えます。
ですが当時の自分にこれを理解させるのは、正直かなり難しかったと思いますね。
合理的な判断を出来るはずの人間は時に「非合理的」な判断をします。
私の場合は住宅ローンがいい例だと言えます。
それはなぜか。
人は「欲求」があるからです。
例えば
「あのスポーツカーに絶対乗りたい!」
「庭付き2階建ての戸建てに住みたい!」
というような欲求があなたの借金を正当化させるのです。
自分の城である住宅を購入することで「城の王様」として満足感や達成感を味わうのです。
それは「見栄の為の浪費」であると同時に
「持つことの幸せ」と思うものにお金を使うということです。
ここに関して考え方は人それぞれでしょう。
「家なんて住めりゃ十分だから賃貸でいい」
「車なんて走って移動出来りゃいいんだから中古の軽自動車でいい」
と考える人もいますからね。
よくSNSで論争になってたりするくらいですから。(笑)
答えなんてその人の中にしかありません。
借金の良し悪しを分ける3つの基準
私が今、借金を判断するときに見ている基準はこの3つです。
① 目的がはっきりしているか
- どうして借りるという選択肢になったのか
- なんのために借りるのか
- いくら借りるのか
- 借りなくても代替できないか(貧乏な時にはかなり難しいです)
ここが曖昧な借金は、
ほぼ確実に後悔します。
ちなみに代替できる策として、
現在の私ならそもそも借金などしなくても金融資産の株式を売却すればだいたい人並みの物は買えます。(これは資産があるから言える事であるのは理解しています)
貧乏だった時に借金をする時点で上記の行動は選択肢にないですし、親から借りても金利がないだけの
借金でさほど変わらない。
でも借金しないと目的を果たせない。
対策としてはかなり難しいです。
あれこれ言いましたが、目的がはっきりしていれば借金しても良いのです。
その代わり厳しく現実を直視して行動しなければ後悔することになります。
② 返済計画が現実的か
- 毎月いくら返すのか返済計画を確認する
- 収入が減ったらどうするか対策を考えておく
- いつまでに完済するのか期限を設ける
「今は返せる」ではなく、
「悪いケースでも返せるか」を考えることが重要です。
自分がケガや入院で仕事の収入が減ったとしても払っていけるのか、
人生はハプニングがつきものです。
特に会社員は日給・月給制が多いのでなかなか自分の意思で収入をコントロールするのが難しいですよね。
社会的信用があるのはいい事なのですけれど、それに頼って安易に借金をするのはあまりにも
無計画過ぎます。
しっかり現実を見て、余裕をもった返済プランを練りましょう。
③ 借金をしてでも得られるものがあるか
- 住環境の安定
- 収入アップの可能性
- 時間や安心感
得られるものがなんなのか、
「幸福感」「優越感」「達成感」
これらが無い借金よりはマシですが少し弱いです。
例として、
「引っ越しをして職場まで凄く近くなった。空いた時間で資格取得の勉強をしよう。」
「治安が悪い土地柄のため、治安のいい土地に家を買って引っ越した。家族もとても安心している。」
これはいい借金と言えるのではないでしょうか?
人的資本の強化につながっている、家族の安全性を担保できる、
これらは感情ではなく、未来への投資だと言えるでしょう。
「引っ越して自分の家を会社で自慢した」
これは悪いとは言いませんがただの浪費になりやすいです。
もちろん「優越感」「達成感」で仕事のモチベーションがずっと高く保ててさらなる収入アップになるならアリでしょう。
要は「借金をして、何を得ているのか」が自分の中で明確ではない借金はすべきではない
ということです。
今の私ならこうする、借金との向き合い方
今の私は、
- 目的のない借金はしない
- 返済計画が立たない借金はしない
- 「楽になるから」という理由だけでは借りない
そう決めています。
投資や家計管理を続ける中で、
借金は「便利な道具」にも
「人生を縛る鎖・お金の奴隷」にもなり得ると
実際に痛い目にあって学びました。
この教訓を自らの糧として今はインデックス投資でコツコツ積み立て投資をしています。
正直、かなり遠回りだったなと思います。
でも逆に、この遠回りがなければ今の考え方には辿り着けなかったとも感じています。
浪費と借金まみれだった私が「投資」に出会って変わった話を体験談として記事にしています。
記事は⇩から
まとめ
借金は、
一律で悪いものではありません。
ただし、
- 軽い気持ちで借りる
- 管理せずに放置する
- 不安から目を背ける
こうした借金は、
確実に人生を苦しくします。
私自身の経験から言えるのは、
借金は「額」より「中身」。
これから借金を考えている人も、
すでに借金がある人も、
一度立ち止まって考えるきっかけになれば嬉しいです。