はじめに:過去の自分は完全にギャンブル漬けだった
20代後半まで私は、暇さえあればパチンコ屋に出入りしていました。
仕事が終わればホールに寄り道、給料日には軍資金をおろして台に突っ込む。
負けが続いても、
「今日はたまたま運が悪いだけ」
「次のボーナスで一気に取り返せるはず!」
と本気でパチスロを打っていました。
気づけば、生活費に手をつけ、光熱費の滞納もあり、貯金はほぼゼロ。
それでも「勉強すればいつか勝ち続ける事ができる」と信じていました。
この記事では、
- 過去の自分がどんなふうにギャンブル漬けだったか
- ギャンブルをする人に共通する行動・思考パターン
- ギャンブルをやめるために実際にやったこと・考え方
を、データや心理学の話も交えながらまとめていきます。
1. 数字で見る「ギャンブルはトータルで負けるゲーム」
まずは感情ではなく、数字の話から。
1-1. オーナー側(店側)が儲かる仕組み
パチンコ・パチスロ・競馬などのギャンブルには、「還元率(ペイアウト率)」があります。
ざっくり言うと、
・還元率95%→長期間・大人数で見れば、お店が5%儲け続ける割合
・パチスロの還元率は約80%(業界全体)
・競馬の還元率は約70~80%(競馬法により調整されている)
・宝くじの還元率は約45%~50%(当せん金付証票法で50%が上限)
というものです。
1万円を何度も何度も賭け続けると、時間が経つほど“期待値どおりの負け”に近づいていくのがギャンブルです。
特に終日ギャンブルをしたとしても期待値のブレは大きく、運よく勝てたとしても業界からすれば誤差の範囲であることがほとんどです。
つまり、よほどのプロでも勝ち続けることは困難であると言えます。
1-2. 「たまに勝つ」のにトータルで負ける理由
多くの人が「ギャンブルで生活している人もいるじゃん?」と思いますが、現実はごく一部の例外です。
「周りは知らんが自分は勝っているぞ」
それは生存者バイアスのそれです。
勝者の足元には数えきれないほどの敗者がいる事を忘れてはいけません。
- 勝った日のことは強く記憶に残る
- 負けた日は「たまたま」「運が悪かった」で片づけてしまう
この記憶の偏りが、「なんだかんだトントンくらい」「ちょっとは勝ってる気がする」という錯覚を生みます。
では実際に自分の月単位の収支をつけてみると・・・
「あ、思っていたより普通にマイナスだ・・・」
と冷静になります。
私はこれをやって、ようやく「パチスロは勝てるゲームではない」と頭ではなく腹で理解しました。
みなさんもしっかり収支を付けてみてください。
月単位、ましてや年単位でプラスに推移している方はごくごくわずかだと思いますよ。
(ちなみに私は収支を付けた5年弱で新車のプリウスが買えるくらいには負けてました・・・しょぼん)
2. ギャンブルをする人に共通する行動・思考
次に、ギャンブルをしていた頃の自分の頭の中を、よくある心理パターンと一緒に整理します。
2-1. 「取り返したい」が行動の9割を支配する
負けたときに真っ先に浮かぶのが、
「このままじゃ終われない、せめて今日の負け分だけでも取り返したい」
という感情です。
これは心理学でいう損失回避バイアス(思考の偏り)の典型です。
人は「同じ金額でも、得より損のほうが強く心に刺さる」ので、冷静な計算よりも「取り返したい」が最優先になってしまいます。
結果として、
- 軍資金を追加でおろして続行
- 数万負けたから帰るつもりだったのに、追い続けて閉店まで打ってしまう
という行動につながります。
2-2. コントロール幻想(Illusion of Control)とオカルト信仰
- 「この台はそろそろ出る気がする」
- 「今日はラッキーナンバーの日だから勝てる」
- 「オカルト打ちの本に書いてあったパターンだ」
など、自分の力や“勘”で結果をコントロールできる気になる現象を、心理学では「コントロールの幻想」と呼びます。
実際の抽選はランダムなのに、「自分だけは流れが読めている」と思い込むことで、冷静な判断ができなくなります。
実際にはユーザー(客)側でコントロールすることは出来ず、
結局運任せの言い訳くらいの意味しかないのです。
さらに良くないことに、これは勝っても負けても通用してしまいます。
「今日はホッパーエラーなどのトラブルが多かったせいでリズムが崩れて負けた」
「いつも見ている占いサイトで今日1位だったから大勝ちした」
「プレミア演出が出るとその後ハマる傾向がある」
「日頃の行いが~うんぬんかんぬん」
言い出したらキリがないですね。(笑)
つまりそういうことなのです。
2-3. サンクコスト効果:「ここまで使ったんだから」
すでに多くのお金と時間を使っていると、
「ここまで負けたんだから、今さらやめたら全部ムダになるしまだチャンスもある」
と強く感じてしまいます。
これはサンクコスト効果と呼ばれるもので、本来は「今やめたほうが損が少ない」のに、やめられなくなります。
こうなるとズルズルと時間と金を浪費した挙句、余計に損失を出し傷口に塩を塗る結果となります。
2-4. ストレス解消・現実逃避としてのギャンブルは最終的に地獄
仕事や人間関係のストレスが溜まっていると、
- 「何も考えずに回してる時間が楽」
- 「ドキドキしている間は嫌なことを忘れられる」
- 「店舗に行くのが日課だから」
このような理由で、ギャンブルが現実逃避の手段になっていきます。
こうなると、
「勝ちたい」から打つ→「考えたくない」から打つ→「ストレス発散のために打つ」
と徐々に目的がすり替わり、負のループが完成してやめるハードルがどんどん上がっていきます。
これが重症化すると、「ギャンブル依存症」になっていきます。
依存症になると、ギャンブルをする行動の制限すると心身に異変が生じます。
- 打てない日(仕事中など)にはイライラしている、集中できていない状態が続く
- 嘘をついて借金をしたり、黙って打ちに行ってしまう
- 打つのをやめないための行動をとる思考になる
こうなってしまうと、もう自力でやめる事は出来ないでしょう。
然るべき施設やカウンセリングでの治療が必要になります。
私はそうなる前で止まれましたが、国でもギャンブル依存症を問題視しています。
それほど個人では対策しきれない問題だということです。
3. ギャンブルをやめるためにやった行動と思考の切り替え
ここからは、実際に私がやって効果があった方法を書いていきます。
0ー100思考で考えるのではなく、少しずつ変化をさせていきましょう。
3-1. まず「環境」を先に変える
意志の力に頼ると確実に折れやすい、というより無理です。
人間の意思は思った以上に弱く、ラクな環境へ向かう習性があります。
そして楽観し、自分に甘くなります。
なので、最初にやったのは環境いじりでした。
- 給料日はそのまま財布に入れず、すぐに別口座へ移す
- パチンコ屋の前を通る通勤ルートを変える
- ギャンブル仲間とは距離をとる(連絡頻度を落とす)
- 暇な時間を減らすために、別の予定を先に入れておく
「行ける状況」を減らすほど、意志に頼らずに済みます。
ただし、すべてを一気にやらなくていいのです。
1つずつを少しずつ、これが大切です。
このルールを守らないと絶対に大きなストレスになりますし、
またギャンブルを再開してしまうでしょう。
3-2. 収支だけでなく「時間」も記録する
お金だけでなく、
- 何時間ホールにいたか
- 収支はいくら使っていくらの変動か
- (例)3時間打って -15,000円 → 時給 -5,000円
こうすると、ギャンブルが「お金」だけでなく「時間」も大量に奪う遊びだと強烈に実感できます。
1万円勝ったとして、勝つのにどれくらいの時間と労力がかかるのか、
仕事で1万円を稼ぐにはどれくらいの時間と労力がかかるのか、
浪費した時間に見合うほどの期待値があるのか、
よく考えてみましょう。
仕事の時間中、お金はマイナスにはなりませんし、頑張れば会社での貴方の評価も上がります。
ギャンブルとは雲泥の差があることに気付きましょう。
3-3. ドーパミンの出どころをギャンブル以外に振り替える
ギャンブルをしていて大当たりの際に快楽・興奮(脳内報酬系)を刺激する物質「ドーパミン」が出ます。
よく言う「脳汁」というやつです。
ギャンブルをやめるには、「刺激ゼロ(脳汁ゼロ)の生活」に耐えるのではなく、
別の方向にワクワクを作り、そちらでドーパミンを出すほうが続きやすいです。
例としては、
- 週に1度のラーメン開拓
- 月に1回の近場の温泉巡り
- 散歩・筋トレなどの運動
- 投資の勉強と実践
に置き換えて、脳内物質の出し方を変えていく感じです。
「お金の増減によるドキドキ」から
「お金やスキルが増えていくワクワク」に脳を慣らしていくイメージです。
「そんなお金ないよ!」
そんなことはない筈です。ギャンブルに使うお金があったのですから。
ラーメン1杯1000円でおつりがきますし、温泉なんて日帰り数百円です。
散歩はタダ。
筋トレは将来への自己投資にもなります。
3-4. 思考の軸を「期待値」で見るクセをつける
最後にいちばん大事だったのが、
「自分の行動を、期待値で見る」
というクセづけでした。
- パチスロ:長期的な期待値はマイナス(お店が勝つように作られているビジネスモデル)
- 投資:短期は上下するが、長期で見れば世界経済の成長とともにプラスを期待できる
こういった、感情ではなく仕組みとして理解すると、
「ストレス発散にしてはコスパが悪すぎるし、なんだかんだ疲れる」
「同じお金と時間を、プラスの期待値があることに使いたい」
と自然に思うようになります。
4. まとめ:過去の自分に伝えたいこと
ギャンブルをしていた頃の私は、
- お金がないのに、さらにお金を減らす行動をしている
- それでも「自分だけはいつか勝てる」と本気で信じていた
という、今から見ればかなり危ない状態、愚かでした。
でも、
- 数字とデータで「負けるゲーム」だと理解する
- ギャンブル特有の思考パターン(取り返したい・コントロール幻想)を知る
- 環境を変え、記録をつけ、ワクワクの方向を変える
この3つを少しずつ積み重ねることで、
私はパチスロからかなり距離を置けるようになりました。
別にダメとは言ってないのです。
「ギャンブルは浪費の最たるもの」
これを理解したうえで、限度と節度のある遊びとしてやるならかまいません。
ただ、お金がある人ほどギャンブルはやりたがりません。本当です。
理由はすべて書いています。だからこそお金があるんです。
数時間を使って遊ぶのに、お金なんてそんなに必要ないものが世の中にはたくさんあります。
過去の自分と同じように、
- なんとなく打ちに行ってしまう
- 気づけばお金も時間もなくなっている
という人がいたら、この記事が「ちょっと冷静になるきっかけ」になれば嬉しいです。